考えるべきことが考えられていない若手社員の実態とその改善策

「若手社員が重要なポイントを考えられず、上司に指摘されてしまう」「物事を深く考えずに、とりあえずやってしまう」といった声は、さまざまな企業の人事部の皆様からよくいただきます。特に新入社員から中堅社員へと成長するタイミングで、「考えるべきことが考えられていない」という課題は多くの企業で頭を悩ませる問題となっています。
今回は、若手社員の思考力の課題と、それに対する育成方法についてご紹介します。
目次
若手社員の「考えるべきことが考えられていない」課題
まず、なぜ若手社員が考えるべきことを考えられないのか、その背景にはさまざまな要因が存在します。
①:経験不足による思考の浅さ
社会に出て間もない若手社員は、ビジネス経験が不足しているため、物事の優先順位を判断する力が十分に育っていません。結果として、課題を表面的にしか捉えられず、細部への検討漏れが生じがちです。
②:論理的思考スキルの不足
現代の若手社員は、情報を素早くキャッチして処理することには長けていますが、論理的に物事を考えるスキルが不足していることも多いです。重要な論点を整理し、論理的に思考するスキルを持たないために、「考えなければならないこと」が漏れてしまうケースが散見されます。
③:早く結果を出そうとする焦り
人事部としても、若手社員が仕事をスピード感を持ってこなすことは歓迎すべきことですが、あまりに結果を急ぐあまり、思考のプロセスを飛ばしてしまうケースも見られます。結局、手戻りややり直しが発生し、かえって生産性を下げてしまうことも。
会社としてどのような育成を実践できるか
では、若手社員が「考えるべきこと」をしっかりと考えられるようにするために、企業としてどのような育成が可能なのでしょうか。
①:考える機会を増やすフィードバック
単に「結果」だけにフィードバックをするのではなく、「その結論に至るまでのプロセス」についても着目しましょう。若手社員が何を考え、なぜそのような行動を取ったのかを明確にさせ、考え方そのものに対してアドバイスすることで、思考の幅と深さが磨かれていきます。
②:問いかけで思考を促すコミュニケーション
若手社員に「なぜそう考えたのか?」と繰り返し問いかけることで、自らの思考を振り返る機会を作りましょう。業務の目的やゴールを理解させ、「なぜこの仕事が必要なのか?」と問い続けることで、問題の本質を考える習慣を身につけさせることができます。
③:ロジカルシンキングやクリティカルシンキングのフレームワークを提供する
問題を細分化して考える「MECE」や、「WHY」思考を繰り返して論点を深掘りする手法など、ビジネスシーンで活用できる思考のフレームワークを導入するのも効果的です。フレームワークを活用することで、若手社員が効率的かつ論理的に考える力を鍛えることができます。
トレーニング方法
若手社員の「考えるべきことを考える力」を伸ばすには、日常業務の中でトレーニングを取り入れることが有効です。All Bridge株式会社では、以下のようなアプローチを活用して、若手社員のクリティカルシンキング力を高めるトレーニングを提供しています。
1. 実践的なケーススタディで考える力を強化
現場で起こりうる問題を題材にしたケーススタディを通して、「何が問題なのか」「どう対応すべきか」を考え抜くトレーニングを行います。現実的なシチュエーションでの思考訓練により、若手社員がそのまま現場で活かせるスキルを身につけられます。
2. ペアワークやグループディスカッションで視点を広げる
自分一人で考えるだけではなく、他者と意見を交換し、議論することで、自分の考えにない視点やアイデアを学ぶことができます。ペアワークやグループディスカッションでのフィードバックは、若手社員にとって自らの考えを整理し、広い視野を持つトレーニングとなります。
3. フィードバックを重視した成長サイクル
プログラム内で学んだことを実際の業務に応用し、その結果を再度フィードバックする成長サイクルを大切にしています。学びと実践を繰り返すことで、若手社員が持続的に思考力を鍛え、自信を持って自ら考え行動できるようになります。
まとめ
「考えるべきことが考えられていない」若手社員への育成は、多くの企業で共通する課題です。しかし、論理的に考える習慣を身につけることで、若手社員が抜け漏れなく業務に取り組むようになり、組織全体の生産性向上に繋がります。
All Bridge株式会社では、企業様の課題に合わせたプログラムをご提供しています。若手社員の思考力育成についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。共に、次世代を担う人材の育成に取り組んでいきましょう。