セミナー開催レポート|成功確率の高い新規事業につながるアイデアとは

2025年8月21日(木)に「成功確率の高い新規事業につながるアイデアとは」をテーマにオンラインセミナーを開催しました。ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
当日のセミナーの様子は こちら からご覧いただけます。
本記事では、当日の登壇者であるAll Bridge株式会社 代表取締役 水谷真人による講演内容をレポートします。
登壇者紹介

水谷 真人
All Bridge株式会社 代表取締役
早稲田大学国際教養学部卒業後、コンサルティング会社にて自動車、化学品、住宅設備メーカーなどの業界でシステム導入・業務改革プロジェクトに従事。
その後、スタートアップ支援会社に転職し、官民連携プロジェクトや新規事業創出支援、起業家育成プログラムの設計・運営に携わる。現場の想いと組織の戦略を繋ぐ伴走支援で、数多くの新規事業の立ち上げをサポート。
2023年に「人の可能性を最大化し、社会で輝く人を増やす」をミッションにAll Bridge株式会社を設立。企業の“挑戦する文化”を育み、実行力ある人財を生み出す新規事業支援プログラムを展開中。
グロービス経営大学院大学MBA修了。
アイデアはセンスではなく、原理原則
多くの方が「アイデアはセンスのある人だけが思いつくもの」と考えがちです。しかし水谷は、「アイデアは原理原則に基づけば誰でも生み出せる」と強調しました。
その定義は、「既存の要素の新しい組み合わせ」。
思いつきのような瞬間的発想とは異なり、情報収集や熟考を経て形づくられた創造的発想こそが新規事業のアイデアです。
アイデアを生み出す5つのステップ
講演では、ジェームス・W・ヤング『アイデアの作り方』をベースにした、アイデア創出のプロセスが紹介されました。
- 情報を集める:異業種・異分野の知識や現場の声を幅広く収集する。
- 情報を咀嚼する:集めた情報をどう組み合わせるかを考え、構造化する。
- 考えるのをやめる:散歩や入浴など、リラックスした時間に思考を手放す。
- ひらめく:思考停止の後に訪れる「これだ!」という瞬間を逃さない。
- 具体化する:小さく試し、フィードバックを得ながら形にする。
水谷は「良いアイデアを“ひらめく”ためには、意図的に考えることをやめる時間が必要」と語りました。
マンダラートで「自社の強み」を起点に
社内新規事業を考える際に有効なツールとして「マンダラート」が紹介されました。
特に、自社の理念や強みを中心に据えてアイデアを広げていくことが効果的であり、既存事業とのシナジーを生かしながら「新市場開拓」や「新商品開発」に繋げやすいと解説されました。
アイデアを事業にするための検証
「良いアイデアがあれば事業は成功する」という考えは幻想です。水谷は、泥臭い検証の積み重ねが不可欠だと指摘しました。
検証すべき主なポイントは以下の通りです:
- 顧客課題は明確か
- 解決策は本当に課題を解決できるか
- 市場の存在と勝てる戦略があるか
- ビジネスモデル・収益構造は妥当か
- 顧客の「欲しい」というトラクションが得られるか
フェーズに応じて検証の重点を変えることが、社内新規事業を成功に導く重要なプロセスです。
事業構築の3つの視点
最後に水谷は、成功する新規事業には以下の3つの問いを常に持ち続けることが必要だと語りました。
- 市場の魅力度(美味しい市場か?)
- 競争優位性(勝てるのか?)
- 実行可能性(できるのか?)
まとめ
今回のセミナーでは、「アイデアはセンスではなく原理原則で生み出せる」こと、そして「自社の強みを起点にし、段階的に検証を重ねることが成功確率を高める」ことが強調されました。
All Bridge株式会社は、今後も「人の可能性を最大化する」というミッションのもと、挑戦を続ける企業や個人を支援してまいります。