「自分たちの手で新規事業を生み出す」ー 新規事業創出に向けた伴走支援がもたらした挑戦と手ごたえ
新規事業推進室のメンバーが、自ら事業を構想し、社内外を巻き込み、実行フェーズまで進めていく。マックス株式会社(以下、「マックス」)と今回ご一緒させていただいた「新規事業創出に向けた伴走支援」は、実際に事業が動き始める段階へ踏み出した取り組みとなりました。
All Bridgeは伴走支援の取り組みにおいて、「自社の強みを起点に事業を構想すること」「既存事業との連携を重視すること」「Why MAX(なぜマックスがやるのか)」を軸に据えることを大切にしながら、アイデア探索・ユーザー理解・MVP構築・社内外との調整などを2チーム体制で実施しました。
新規事業推進室の石井様、伊藤様、髙橋様、小林様に、プログラムを通じて得られた視点の変化やチームの成長、そして事業が動き出すまでのプロセスについて伺いました。
自社の強みを起点に「事業を生み出す」という挑戦
マックスが目指したのは、単なるアイデア創出ではなく、「自社の強みを起点に、事業として成立する案をつくる」という実践的な挑戦でした。自社の強みの棚卸しでは、各事業へのヒアリングも重ね、技術力、製造プロセス、品質へのこだわり、社内の協力姿勢など、“マックスという組織の力”を多面的に掘り起こす機会となりました。
髙橋様は当時を振り返ります。
マックスには様々な商品がある中で、この取り組みを通じて新しい「自社の強み」が見えてきました。それだけでなく、各事業の皆さんが想像以上に協力的で、製品づくりへの熱量に触れるなかで、「この会社のことがもっと好きになった」と素直に感じました。
続けて、伊藤様は社内ネットワークそのものがマックスの強みだと振り返ります。
今回の取り組みで実感したのは、人と人をつなぐ力がマックスには元々あるということです。社内の歴史や製品への想いを持つメンバーが多く、そのつながりから新規事業の種が自然に広がっていく。この連携力こそ、マックスが事業を生み出していく上での大きな強みだと感じました。
実際に、髙橋様もその連携の恩恵を大きく感じていたと言います。
組織表を見ながら“この人に聞けばいい”と最初に道筋を教えていただき、そこから一気に社内ネットワークが広がりました。紹介を通じて他部門にもつながり、短期間で一気に社内の関係が広がった実感があります。
こうした強みの発見と社内のつながりを積み重ねながら、事業としてのリアリティを形にしていくプロセスそのものが、一人ひとりの視点を広げ、大きな成長を後押ししていました。
2つのチームでの協働が生んだ相乗効果
今回のプログラムの特徴は、2チーム体制で同時にプロジェクトを進行したことです。小林様は、この体制が大きな力になったと言います。
1チームだけだったら、どこかで詰まっていたと思います。2チームが並走していたことで、「その切り口もあるのか」と互いに刺激を受けながら進められました。
髙橋様も、この相乗効果の大きさを語ります。
小林さんのチームに向けたフィードバックが、自分のチームにもそのまま刺さる。気づきが2倍になる感覚がありました。
議論の中で、自分の役割や自社の強みを再発見する機会が増え、新規事業構築をさらに前進させていきました。立場の違うメンバーが、同じ方向を向きながら進めた数ヶ月が、チームの推進力を育みました。
社内外を巻き込み、事業が動き出すまでのプロセス
今回のプログラムは、検討して終わりではありません。ユーザー理解、他部署との連携、社外での実証機会の創出など、実際に事業を動かすための実務フェーズへと踏み出しました。
髙橋様は、この一連のプロセスが大きな財産になったと語ります。
今回の取り組みを通じて社内ネットワークが広がり、ヒアリングを重ねる中で顧客理解も深まりました。これらの経験を起点に、今後の新たなアクションへつなげていきたいと思っています。
石井様は、今の手ごたえをこう語ります。
この新規事業の取り組みを通じて、ようやく勝負の土俵に乗れた。ここからどう新規事業の種を育てるか、これからが本番です。
事業を自分たちで動かすという経験が、行動の質を確実に変化させていきました。これから先の展開がますます楽しみです。
日常が変わる ー「事業視点」で世界を見るようになった
今回のプログラムで特に印象的だったのは、参加された皆さまが口を揃えて「日常の見え方が変わった」 とお話しされていた点です。
小林様も、その変化を次のように振り返ります。
街を歩くと、サービスや課題が自然と目に入るようになりました。イヤホンを付けてスマホだけを見ていた自分が、世界の捉え方そのものを変えられた気がします。これは、新規事業に取り組んだからこそ得られた変化だと思います。
ゼロイチのプロセスに向き合うことは、単にアイデアを生み出す作業ではなく、世界の見え方が変わる体験そのもの。その変化が、皆さまの言葉から鮮明に伝わってきました。
組織の未来をつくる、「先陣を切る」という覚悟
石井様は、この取り組みを終えた今、新規事業推進室としての役割をこう語ります。
今回の取り組みは、その最初の一歩を確実に切り拓いていました。


